若者の国フィリピン、学生へのプロモーションの重要性

フィリピンは、人口の半数が27.7歳以下という若い国です。2024年の国勢調査では、15〜30歳の人口が約3,240万人。日本では65歳以上が人口の約3割を占めることを考えると、人口構成の違いはかなり大きいです。

経済面でも、フィリピンは2010〜2023年に年平均5.2%の成長を続けてきました。もちろん、成長が鈍る時期もありますし、若い人が多いだけで将来が決まるわけではありません。それでも、人口減少が続く日本から来ると、街やイベントで感じる若い世代の厚みには驚かされます。

先日、弊社所属のシンガーNanaoが、マニラはタギグシティ大学で開催された『ON Campus』というイベントに出演しました。今回はその舞台裏とともに、学生に音楽を届けることについて、現場で感じたことを書いてみます。


Nanaoのステージ。学生たちを前に、日本の楽曲や自身の曲を披露しました。

教授もスタッフも若い

学校でのイベントでいつも驚くのは、教授やスタッフの皆さんがとにかく若いこと。学生と並んでいると、正直、誰が先生なのか見分けがつかない場面もありました。イベントをつくる側も参加する側も若く、会場全体に活気があります。

ステージに出て客席を見渡すと、その熱気はさらによく分かりました。大勢の学生がステージを囲み、Nanaoのステージを見てくれていました。


ステージから見た会場。Nanaoの前に、多くの学生が集まってくれました。

日本語の「紅蓮華」が大合唱に

「紅蓮華」の大合唱から分かったのは、日本語の曲を一緒に歌い、ステージを楽しむ学生たちがいるということです。ただ、この曲はアニメを通じてすでに知られています。初めて聴くNanaoのオリジナル曲にも同じように反応してくれるのか。 そこが、今回のステージで確かめたかったことでした。

そして、デビュー曲「Pito Pito」の演奏が始まると、学生たちはコールに応え、会場は大いに盛り上がりました。この曲には、J-POPではポピュラーな楽曲内にコールを仕込む手法を取り入れています。現地のオーディエンスを巻き込む狙いが、実際にステージでどう届くのか。以前、フィリピン市場におけるJ-POPの可能性についての記事で書いたことを、自分たちの曲への反応として目の前で確認できたのは、大きな収穫です。

新曲「O.N. Love you」にも、学生たちから手応えのある反応がありました。アニソンを思わせるサウンドにタガログ語の歌詞を組み合わせた曲です。この前代未聞の音楽性が、SNSでも小さな話題となり始めています。 Nanaoを知らなかった人からも反応が届くなか、今回の手応えをどう大きなムーブメントにつなげていくか。いろいろと試してみたいと思います。

現場で何を確かめられるのか

SNSでは再生数やコメントを見ることができます。ライブでは、曲が始まった瞬間に客席の表情が変わるか、コールに応えてくれるか、一緒に歌ってくれるかを、その場の空気感をしっかり確認できます。

今回のような大学イベントには、Nanaoを目当てに来た人ばかりが集まるわけではありません。だからこそ、初めて見る学生に曲がどう届くのかを確かめられる。ファンの前で歌うライブとは、また違った意味があります。

今回、「紅蓮華」だけでなく、オリジナル曲の「Pito Pito」と「O.N. Love you」にも反応があったことは、大きな手応えでした。もちろん、ひとつの大学での反応だけで、フィリピンの学生全体に同じように届くとは言えません。出演の機会を重ねながら、この手応えを確かめていきたいと思います。


一緒に歌い、ステージを楽しむ学生たち。客席の反応が印象的でした。

▶ 大合唱の様子はこちら:

学生との出会いを、その先につなげるには

フィリピンでの発信にFacebookは欠かせません。一方で、今回のように若い世代へ届けるなら、それ以外のSNSの活用も非常に重要になってきます。ステージで初めてNanaoを知った人が、その場でアカウントを見つけ、あとから曲や動画を聴ける。ライブで生まれた反応を、その後の接点につなげられるかどうかも大切だと感じました。現地で色々仕込む準備を進めているので、結果が出たらまたこのブログで紹介できればと思います。

当日は、現地で大人気のシンガーのGigiさん、そしてプロデューサーのvoterさんにもご挨拶できました。学生の反応を直接見られたことに加え、現地で活動する方々と交流できたことも、今回の収穫です。


イベントの舞台裏で、現地のシンガー、プロデューサーの方々と。

『ON Campus』は、とにかく若さと熱気を肌で感じられるイベントでした。学生へのプロモーションは、すぐに成果が数字に表れるとは限りません。それでも、これからフィリピンの音楽や文化を担っていく人たちに、今、曲を届ける。その大切さを改めて感じた一日でした。


Nanao(ななお)

JFK Music所属のシンガー。2026年5月、フィリピンの音楽レーベルKDR Music Houseから「Pito Pito」でフィリピンデビュー。J-POPのサウンドにタガログ語の歌詞と日本のライブ文化を取り入れた「JP-POP」を掲げ、現地のライブやメディア出演を中心に活動している。2026年8月には、2作目となる「O.N. Love you」をリリース。

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